ブログに近い

ラッパーです。

夏風邪くらいは引きたかった

病気の花屋に送る花はセンスが問われる。
何を見舞いに持っていけばいいのか。

 

「戸高、新人の彼とは仲良くなったか?」
社長が唐突に聞いてきた。その意図が分からず、返答にモゴモゴと詰まる。
確かに新人は入ってきたが、他部署の彼との接点は薄く、会話らしい会話もまだない。

 

「どうしてそんなことを聞くんですか?」
社長はマウントレーニアを啜りながら言った。
「だって新人も髭生えてるし、同じタイプかなって思って」

 

お前は馬鹿か。
そんな理由で仲良くなるか。
人間を8ビットで判別してるのか。
じゃあお前は世にあふれる小太り全員とスポッチャに行け。
そういうことだぞ今お前が言ったのは。

 

とはいえ、社長からはそう見えているのかもしれない。
戸高はその薄い共通点すらコミュニケーションの突破口にし、いとも簡単に他人と仲良くなれる逸材だと
そう思われているのかもしれない。

 

自分自身、民意で作られた人間であるとは自覚している。
他人の認知をあまり裏切りたくないタイプだ。
マリオのように操られ、偶像を演じきりたい。

 

そう見られているのなら全然構わない。
髭の新人と仲良くしますよ。
自己紹介で「特技はムーンウォークです」と言い放っていた、そんなユーモアの死んだ新人とも仲良くやりますよ。

 

ものは試しと会議後の流れで新人と会話してみた。
彼は彼なりに会社の体制に不安を抱えていて、なるほど話してみないと分からないこともあるもんだ、と膝を打つ。

 

「結局プロレスラーが怒ってるんですよね」

突如飛び出した言葉の意味が分からず固まった。
プロレスラーが怒る? 比喩か? 村上春樹作品の人物か?
「春先のモルダウ河みたいに元気だよ」みたいなイキ過ぎた比喩を口語でも用いるタイプなのか?

 

分からず、そのまま聞き返す。
村上春樹の表現?」

またも空白の時間が流れる。
それどころか「村上て誰すか?」という顔をしている。

 

よくよく聞けば「プロレスラーが怒ってる」ではなく「負の連鎖が起こってる」だった。
髭という共通点だけでは、会話すらスムーズにいかないらしい。
あろうことか、こっちの耳まで遠くなる始末。
村上春樹の表現?」とウィットに富んだ返しを口走った自分が恥ずかしくなり、退勤しそうになる。
慣れないことはすべきではない、また膝を打つ。

 

先日、社内で大きな会議があった。
経営陣が今後のビジョンを社員全員に説明する経営方針会だ。
登壇した社長が、こちらを横目で見ながら話す。

 

「戸高は経営陣に加わるという目標のため頑張っている」
「戸高を見習って頑張れ」
そんな話を20分ほどツラツラと話していた。

 

いいえ違います。加わりたくないです。
将来はダイナーを開きたいんです。
バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティとジョージが出会ったような、
カリフォルニアの荒野に立つ大きな看板のある、そんなダイナーを。平尾で。

 

時にユーモアと愛想笑いを交えて会議は進行する。

自分はというと経営陣に加わりたい顔をして背筋を伸ばす。
社長が来季の目標を大々的に掲げたころ
頭の中ではミニスカのウェイトレスに履かせるローラースケートの色を考えていた。
その中でも凛とした表情を崩さず、出来る社会人として偶像を演じる。時々深く頷いてみたり時々疑問を抱いた表情をしてみたり。
しかしやはり真っ赤か、星条旗柄がベスト。
そんな結論が出た頃、ちょうど会議も終わる。

 

誰が何を考えているかなんて、分からない。


大学のとき、ヒッチハイクで拾ってくれたトラック運転手が言っていた。
「俺はいまだに19歳のときと感覚は変わらないよ」
その人は40手前で子どももいて、広島と東京を大型トラックで往復していた。
夜中になると足でハンドルを操り、両手でジャンプを読みながら運転していた。
とんでもない深夜高速。生きていてよかった。

 

彼は毎日「仕事めんどくせえ」と思っているらしい。
当時の自分は「そんなことあるの? 仕事するのが普通じゃないの?珍しい大人だな」と本気で思った。
今ならめっちゃ分かる。これはきっと定年までずっと面倒くさい。
自分だって19の感覚のまま、常識ぶって社会人に擬態している。
ずっと面倒くさいが続くのかこれは。きつすぎるだろ人生。


病気の花屋に送る花は、なんでもいい。
花屋だって、案外あまり考えてないと思う。
みんなぼんやり仕事をして、役割に応じて怒ったり笑ったり、ただ髭を蓄えたりしている。


ところでこの文章が下書きの中で腐っていく合間に、髭の新人はいそいそと辞めた。
小さな共通項だけでは、結局何を考えているかは分からない。
一度くらいムーンウォークを見せてほしかった。

 

ーーーーーーー

 

去年とあらかた同じ格好で

去年と同じように夏が終わっていく

イカバーとサクレは去年で食べ終わったのかも知れない。

 

来年こそ大金持ちになって毎日違うシャツを着たい。

 

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実家からの景色

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おぐらのチキン南蛮

三月

スーパーの陳列棚で
目当ての商品がなかなか見つからない時
一歩うしろに引いて全体を見れるように視界を広げるあの動作


あれみんな技名つけてる?


俺はね、イーグルアイ

心の中で毎回唱えてしまう。


禁酒しないといけないよなと思いながら
二本目のビールのプルタブに手をかける。
食卓で塩分を舐めては喉を潤し
それを毎日繰り返している。

最後に休肝日を作ったのはいつだろう。
球児が毎晩バットを振るような「継続は力なり」。
そんな約束を反故にするがごとく
アルコールの分解力は日に日に落ちていく。

幸運にも体調はなんら変わりなく
日常を謳歌するには余りあるほど愉快ではある。
しかし内臓系の病気というのは恋と同じで
曖昧に始まり、芽吹くときは突然だと相場が決まっている。
そして芽吹いた時にはもう遅いという点まで一緒だ。

やがて襲いかかる不測の事態を想像して
猛獣を手なづける調教師みたいに
優しく肝臓の毛並みを撫でている。
いいかお前だけは牙を剥いてくれるなよと。

禁酒を意識し始めたのは昨年末。
病み上がりだとか様々な条件下ではあったが
たった2杯のハイボールで失神してしまった。
生まれて初めてのブラックアウト。
倒れるその数秒前まではすごく楽しかったのに
コンセントを引き抜いたみたいに意識が途絶え
次に目が覚めた時にはN.W.Aのジャケみたいに見下ろされていた。

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馴染みの店内でよかった。

昔はこんなんじゃなかった。
もとより酒豪ほど強くはないが
朝までは楽しく飲めるくらいには元気だった。
どれだけ飲んでも理性を飛ばしたことはないし
酒での失敗がないことが自慢のひとつでもあった。

しかし最近は酔って別の自分が出てくることが増えた。
翌日にお伺いの電話をいれることもあった。
昨夜の僕は失態を犯していないでしょうか、
謝罪すべきことはなにかありますでしょうか。

酔っている自分の姿は聞くに堪えれるものではないのと同時に
それがコンテンツとして消化されることに対しても疎外感を感じる 。
友人が、 別の知らない友人と知らないトピックスで楽しんでいるときの肌寒さと似ている。

どれもこれも記憶が曖昧ではあるが
話を聞くに、常々思っているようなことを
別の自分が代弁していることがほとんど。
その故非常にバツが悪い。

それでもどうしてもお酒が好きだ。
アルコールが好きというより
飲酒という行為の虜になっているのかもしれない。

失態を思い返しても楽しかった記憶がギリで勝つ。曖昧なりにキタノブルーのようなフィルターがかかる。


いまだに派手な飲み会や騒々しい集まりは嫌いだ。
あくまでしっぽりと慎ましく
本のアイデアを出し合うような会話をしながら飲みたい。

先日カラオケバーにて
弊社社長が渾身のミセスグリーンアップルを歌唱している際
「きっつ!曲がきつい!」と野次を飛ばしてしまい
翌日素面に戻った社長にそんなことを言っていたよと指摘される。

身に覚えがないっちゃない。
本当にそれは自分なんだろうか。
優しい口調と相反したやけに座った目、
その寒暖差に風邪をひきそうになる。

ごく最近、炭酸水でも十分代替されることに気が付いた。
ある程度飲むと、別の自分の登場の気配が漂う。
そうなると恥ずかし気もなく炭酸水に切り替える。
そうして自分は自分のままでいれる。

 

昔、飲酒の作法は難しいと太宰治の本で読んだ。

どの本かも忘れたし調べる気もないがとにかく酒の席で調子に乗るな的なことだったと思う。

人が酔ってる姿も面白く感じてきた。

そういうのが変化というならもうそれはそれでいいかとも思う。

どちらにせよスタイリッシュでいたいだけだ。

 

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ベランダから見る建設中の隣のマンションの工事が佳境に突入し、全貌を覆う防音シートなるものがお披露目を待つベールみたいに勿体ぶっている。

お楽しみに、とでも言われているみたいだ。舐めやがって。

 

髪を束ねて家を出てみるとオーガニックな人間になった気がした。少なくとも内臓は悪くなさそうな。メタ認知を高め、俯瞰で見ることを忘れないように生きる。

イーグルアイ

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鼻歌さえも憚られる日々だ

かじかむ

かじかんで仕方がない


お気に入りの服は防寒性に乏しいが

お気に入りなのでなるべく着たい


風呂から上がったら顔にニベア的なものを塗って

髪にオイルを付けて

リップクリームを塗ったあと

手にハンドクリームを塗る

保湿ばっかか人生

 

著者近影

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ふにゃふにゃ生きていたいのに

根が真面目で面白くない


人にたくさんいじられたっていいのに

その反面スタイリッシュでもいたい

 

新しい職場にも順応してきた。


最近は伸びすぎた前髪で目を隠し

パソコンに向かっているふりをして居眠りする術を覚えた。

参加したくない集まりやフットサルにはもう行かないですと伝えれるようにもなった。


それにしたって、首尾よく出世の枠を勝ち取り部下も出来た。

いかんせん仕事がめちゃくちゃできるので。

 

しかしまあ、部下の一人はひと月あまりで部活みたいに会社を辞めてしまった。

会社の空気感に合わなかったらしい。

どれだけ気を揉んで持ち前の面倒見の良さで他人をケアしても

自分じゃどうにも出来ない要素で事が起こるので居たたまれない。


翌日荷物を取りに来た部下は

「戸高さんにだけは感謝してます」と言い残して会社を去った。

だけは、をやけに協調したフロウで、周りになるべく聞こえるような声量で。

感謝を盾に会社を口撃しているんだろうが、

その一言で社内の銃口が戸高に向く可能性は考えたか?


社長はのんきにMacbookに優里のバックステージパスを貼って自慢している。

あんまりだ。心の琴線が十代すぎる。

流石にあそこまでダサくはなれない。

 

いつも話題の中心はダメで愛されるやつだ。


本当は自分もそうであれと

適度にふにゃふにゃと生きていたいが

そうも行かない持ち前の真面目さで

中途半端にふざけてみては

ふざけたことを後悔しながらやがて死ぬ


嫌いなものが多すぎてうまく生きれない。

だが生きている。

 

自虐でしか人に笑ってもらう術がなく

コミュニケーションとして心を少しずつ削って人に渡していく。

ラクレットチーズ

食べたことはないけどこんな感じなのか

刀削麺

そのどっちかが近い

 
鼻歌さえも憚られる日々だ

 


ちょうど1年ほど前、久留米で同僚と飲んだ帰りに財布を落とした。

歩いた道を辿ってもどこにも見当たらず交番に届出を出して電車賃を借りて帰った。

財布の中には会社のセキュリティカードも入っており「これは始末書書かないといけないね」と同僚が煽る。


楽しかった。あまつさえおいしいとすら思った。

酔って財布を落とすエピソードが自分にできるとは。

愉快愉快と終電に揺られた。


翌日財布は綺麗に戻ってきた。

セキュリティカードどころか一銭も減らず

落とした時の姿のまんま交番に届いた。


いつも面白くない方に転ぶ。

始末書を書くこともなければ、生活も困窮せず

茶目っ気のあるエピソードは日の目を見ることはなかった。

財布を落としても、翌日見つかってしまう側の人間だ。


後日財布を買いに行った。

いわゆるコンパクト財布で、前に使っていたものより二回りほど小さい。

次は落としたとき、完全に無くしてしまうサイズ感だ。

次は見つかりませんように。

面白い方に転びますように。

 

 

褒められが発生するとひねくれが併発する

これは病気みたいなもので、純粋に人の賛美を受け取れない

馬鹿にしてくれた方がいいんだけど

その方が受け身取れるんだけど

もうちょっと心の柔らかい場所をフューチャーしてくれていいんだけども。

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先日同僚とタバコを吸いながら話した。

「信号って、赤が"止まれ"ですけど、筋肉バカばっかりの会議だったら赤が"進め"に決まってたと思うんです。筋肉バカは赤を"進めー!!"にしそうじゃないですか?猛烈な感じで」


同僚は目も合わさず「そっすね」と呟いた。

 

退社前に同僚がツカツカとデスクに歩いてきては

「戸高さん僕調べたんですけど、信号の色は1900年代の始めに」とネットでの正解をダラダラと垂れてきた。

 

調べない方が面白かったのに、もったいない。

 

 

 

 

 

オードブルで喜ぶと思われてるのも悔しい

12月25日の午前中、社内にオードブルが運ばれてきてああこの会社は昼休みにクリスマスパーティーを行う系の会社なのかキッツと思って昼休みになった瞬間社外に飛び出た。そういう催しに参加したくないし何よりオードブルより醤油ラーメンが食べたかった。会社の近くの店でラーメンを啜ってると事務員から電話がありオードブルがあるよ食べなよ戻ってきなよとのことで、ああそうなんですか直ぐに戻りますねと如何にも今知りましたの体を装って早足で戻る。こういうパターンは戻らない方が心象が悪い。とにかく急いで戻って楽しそうにオードブルを囲まないといけない。これは逃げれないな失敗したなと、覚悟を決めてエレベーターに乗る。

オフィスに入った瞬間電灯が消され大音量でスティービーワンダーのハッピーバースデーが流れる。
途端に全身血の気が引くのが分かって露骨に嫌悪感が顔に出てしまったのも束の間
会議室からでかいケーキを持った社員が飛び出してくる。
「戸高さん誕生日おめでとうございまーす!」
それを合図に方々からクラッカーが鳴る。
 
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しんどいしんどいしんどいしんどい
無理無理無理マジでキツい

拍手の中で眼前にケーキを持ってこられてろうそくの火を吹き消した。
社内全員がこっちを見ている。勘弁してくれ頼むから戸髙を粒立てないでほしい。
「今年の抱負はなんですか?」
手をマイクに見立ててインタビューが始まる。
頑張って笑顔を作ったが石破茂みたいな目をしてしまったと思う。
抱負なんかあるか。
あっても社内の人間に関係ないだろ。
強いていえばこういう悪しき風習を企画した社員ごと葬りたい。

「日々の業務を着実にこなして活躍できるよう頑張ります!」

「「おお~」」
「「真面目~」」

舐めやがってマジで
要らないだろこれ
言うしかないこと言っただけだろ

「じゃあオードブル食べましょうか~!」

ああそういうことか戸高用のオードブルだったのかみんな待ってたんだ
それは申し訳ないことをしたと思った。

「戸高さん今どこ行ってたんですか?」
「あー、銀行行ってましたすみません笑」
「あぶねー、昼ごはん行ってたらヤバイってみんな話してたんですよ」

じゃあ先に言えよこういうのがありますって
知らないからラーメンと白ご飯食べてきたんだよこっちは。

取り分けられた唐揚げだとか諸々が紙皿に乗って運ばれてくる。オードブルって取り分けられたら意味なくない?それぞれが突っつくから良さがあるのでは?
もう本当に少しも要らない。いま全然興味ない。

「うわーすげーありがとうございますー!」と初めてオードブル見たみたいな反応を取り繕った。
本当にうれしいと思うか?オードブルで?
フェットチーネグミとかの方が嬉しい、グミなら食べれる。
無理やり揚げ物だのを胃に放り込んだあとケーキが切り分けられて運ばれてきた。
社長が「戸高実績良いから今回ケーキ奮発して良いやつにしたんだよ」という。
企画したのお前かふざけるな。
頑張りは給与に反映しろ。ケーキで還元するな。古代ローマかよ。塩が報酬だった時代じゃん。
たんじょうびおめでとうと書かれたチョコプレートとサンタの形したガッチガチのメレンゲ菓子が別皿に乗って届けられたが食べたふりをしてサンタをビニール袋に入れてリュックに押し込んだ。
ケーキは甘ったるすぎて涙目になりながら飲み込んだ。
「クリスマスが誕生日だとプレゼントまとめられませんか?」
「なんかクリスマスが誕生日っていいですね!」とみんなが口々に話しかけてくる。
無理やり話題を探すな。社員の誕生日に興味なんてないだろ。

その証拠に、誕生日は今日じゃない、明日。
 
リュックの中のサンタが暖房で溶けていく。
水は差せない。誰にも諸々気づかれませんように。
 
 
 

フットサルなんてやりたいわけないだろ

新卒で入った会社でどんな車が欲しいかという話題になり僕は日産のpaoに乗りたいすねって言ったらみんなにすごい馬鹿にされたのを思いだす。

ダサいだの俺は乗りたくないだの女の子乗せれないよだの。

 

日産パオ

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お前らはクラウンだのレクサスだのセダンタイプに乗ることをステータスにしてる価値観で育ったからそう思うだけでpaoは可愛いだろ。未だ乗りたいわ。クラウンの助手席に乗りたい女の子とだけ遊んどいてくれ。思い出すだけで未だ怒れる。こっち側の価値観の存在を知ってくれ。


前職で部下の女の子に「バンドやってたよ」って言った途端に「そこまでしてモテたいんですか!?」って返ってきた時のことも未だ怒ってる。音楽やってる人みんなモテたくてやってると思ってんの?モテたいんだったらもっとやりようあったよ。陰険なやつでもバンドやるわくそが。

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フットサルなんてやりたいわけないだろ。


現職のノリでフットサルを月に数度参加しないといけなくなった。どうやら社内の一体感を作るためにはどうしたらいいかという会議でフットサルが提案されたらしい。バカすぎるだろ。提案したやつ誰なんマジと思って探したらちょっとムキムキのやつだった。ふざけるなよ。体動かす以外に探せよ楽しいこと。弱いものを守るためだけに筋肉つけろ。フットサルに巻き込むための筋肉なら捨てろ。戸髙くんのいるチームはハンデあげようって体育教師に言われたことないからそんな思考になるんだろ。最終的に友人たちもが「戸髙くんいるんでハンデください」って積極的に言いだしてた。何が一体感なん。戸高だけの分断を煽ってるだろ。こっちはスポーツから逃げ切れたと思ってるのに未だ追いかけてくるの何。

業務終了後に開始されるなら適当に断ろうと思ったが業務内にやるらしく断れない。こんなことに人件費使うなよマジで。早く上がらせてくれ。

結局逃げれず当日を迎えてそれなり運動できる服装に着替えたら「戸高さん経験者ですか?格好ガチっぽいすね」って言われてマジで鳥肌がたった。戸高がサッカー経験者な訳ないだろ普通に。サッカールーツのスニーカーくらい持ってるだろ。らしいファッションを用意したのが間違いだったのか?見た目で判断するなよ。ガリガリの気弱そうな先輩に「マジで面倒くさいすね」って言ったら「え、めっちゃ楽しくないすか?フットサル好きなんで」って返されてマジで味方いないんかよって思った。その見た目でスポーティなの変だろ。ラモスみたいな髭の生えた同僚が「マジで最悪マジで面倒」みたいな反応してたので仲間かと思ってたら始まった途端にめっちゃ声出して得点王になってた。お前は見た目通りなんだ。結局みんなガチでやっててスポーツ弱者に全く優しくない。マイボってなんなん。大学でも習ってないわ。国公立なのに。結局本筋に絡まないところで無闇に走って参加してる感だけ出して時折タイミング合わせてナイッシュー!だけ言ってた。それでも逃げれない位置にボールが来た時は気付いてないふりとかして本当に申し訳なかった。素人でも分かるコレは恐らく自分がシュートを決めるべきというポジションにいてしまった時に思いっきりボールをスカして空を蹴ったあたりから「あいつちょっと何してんの」ムードが流れて気まずかった。休憩に入って同僚から「いやでも戸高さんいい位置いますよね」と声かけられた。開口一番「いやでも」から入るコミュニケーションってある?フォローしたつもりだろうが嫌味にも聞こえるし、何ならいい位置にいるの?それも分からんし怖い。自分から「30代にはきついっすわ」って年齢自虐を口走った時になりたくない人間に成り下がったなって思った。「なんか足が思うように動かないんすよね、思ったより届かないんすよ」とか話すと「分かるわー」と言われて一応運動できない奴ではなくただただ運動不足の奴と思わせることには成功した。チームが勝ったときの慣れないハイタッチで精神が疲弊してしまったが存外に汗だくになって皆と同じくらいに活躍した感じは作れた。次回は野球とかしましょうとかみんな言い合ってるがマジで意味がわからん。運動がどれだけ嫌いかをマジで分かってない。世の中にスポーツめちゃくちゃ嫌いな人がいるってのを知らないのか。やりたいわけないだろ。

2024/9/30[最終日]

9月30日(月)

 


andymori小山田壮平が学生生活を「椅子取りゲームへの手続き」と例えたが、似たような心境を今更重ねてしまった。

実際この有給期間は手続き期間でなく只の小休止であり、もちろん学生でもないのでこの感覚は間違いでしかない。

 


余暇の最終日。明日から新天地で働く。

双眼鏡を逆から覗いたみたいに遠くにあったはずの10月が急に眼前に現れた。

 


思えばこのひと月は膿んでいく傷を何もせずに眺めるような生活で、もっとやりたいことを大手を振ってやるべきだったと後悔している。

それに気付きながら羽の伸ばし方も忘れダラダラと最終日まで漂着してしまった。

 


ひと月の間にしたこと。

スプラトゥーン3のストーリーモードクリア

・地面師

・チョコザップ

これしかない。

ひと月でこれだけしか成果がない。

 


新しいTシャツを買って自分の機嫌をとったが

一度しか着てないままベランダから風に攫われてしまい

向かいのアパートの屋根の上でジリジリと焼かれてしまった。

 


行こうと思って事前にメモっていたランチのお店は半分もクリアできなかった。

 


体重はこのひと月では特段減らなかった。

 


思い出と成果を集めて器に盛り付けてもムクドリのエサくらいにしかならず風が吹けばそれもまた飛ばされてしまう。

 


最終日の夜は平尾を飲んで歩いた。

翌日に備えようとも思ったがギリギリまで夜更かししてこそフィナーレだとも思った。

できるだけ9月を引っ張って伸ばして薄皮一枚で10月の訪れを耐えた。向こうが透けるほど薄皮だった。

 


平尾での堂々フィナーレでは肉を焼いて夢にも想う夜が出来上がった。

時々翌日のことを考えて頭を抱えて嘆いた。

グラスを空ける度に、冷静にならないようにすぐ次を頼んだ。

 


1時ごろ少しフラつきながら帰った。

帰りながらすでに二日酔いが始まっているようで

梅酒のように脳がアルコールに漬けられているみたいだ。

 


日記を書くことをタスクにしてしまったことの弊害で、日々記憶を辿るのが辛かった。何かネタを見つけようと躍起になることもなく怠惰の記録だけコツコツと書いた。

 

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10/3時点

新しい会社は社内で一日中ミセスグリーンアップルが流れている。

入社時、福利厚生でファンクラブに無料で入ることができると説明があった。

気を狂わせながら生きていく。

2024/9/24〜27

9月24日(火)

 


悠々自適なスロウライフも残り一週間を切り

何かし続けないと不安に襲われてしまう。

放置した車のバッテリーがあがる様子にも似てるが

人間においてのJAFFは今のところ開業していない。

 


一心不乱に多くの皆様の出勤時間に合わせてルームランナーで走る生活も愛しく、今やチョコザップとの契約だけが社会との細い繋がりのように思える。

 


複製されたような毎日すぎて刺激的なことのひとつや二つに飛び込んで見ればよかったと今更後悔し始めるも

日中はPCを開いて毒にも薬にもならない曲を書いて消してを繰り返した。

 


夕方、娘をいつもより早く迎えに行き公園をはしごする。

チャリで行ける公園全部行こうと思い夕方の町を疾走し結果3つの公園でセンベロみたいな遊び方をした。

 


あまり人気のない公園の電話ボックスに娘が入りたがるため嫌々ながら蜘蛛の巣を解いて一緒に入る。

娘が「お空に電話する」というので受話器を渡すと

「夕方をいっぱい持ってくれてありがとねー」と話す。

 


いわし曇が空に並んでる様子を

「空が夕方を持つ」と表現しており

村上春樹よろしくの比喩表現かと思った。

 


感性に語彙力が追いついてない故の産物。

大人になると知識と語彙だけが先行してこんなピュアに物事を捉えられない。詩人が欲しがる視点だと思った。

 


帰りながら

「パパはお昼は何してたの?」と聞かれてまた閉口する。

何してたの。教えてほしい。

 

 

 

9月25日(水)

 


ギュルギュルにパーマをかけようと思い前日から予約した新しい美容室に行く。

 


本当は贔屓にしていた美容室に行きたかったが

担当の美容師が退職してしまい仕方なく新規開拓するハメになる。

 


前回までの美容師は無口で淡々と施術してくれたため

その居心地の良さから2年通った。

でも良く良く観察すると自分を施術する時だけ彼は無口になるようであり単に気まずかっただけと気づく。

こんなんばっかだ人間関係。

 


新しい美容室では決して舐められたくないため

こなれた感じで入店して颯爽と受付まで歩く。

予約していた戸髙ですを言い終わる前に

「受付はあちらです」と食い気味に訂正される。

どうやら声をかけたのは美容師たちの待機場所みたいなところで、早速ぶくぶくと口から泡を吐いて死にそうだった。

薄めのサングラスを急いで外した。

 


新しい美容師はジェネリックのアフロみたいな髪型で

それはそれは信用に値するビジュアルだった。

 


ある程度要望を伝えたあと

「結構イメージ変えてみるのも面白いですよ?どうです?」みたいな提案を受けたので

 


「ひとに『髪切った?』って言われるのが嫌なんですよ。

そう見えてる時点で切ったに決まってんじゃんって思っちゃいます、だからイメチェンはしないです。」

と答えてから会話がなくなった。

 


美容師の前で言うべきじゃなかった。

いまから髪を切ってくれる人に対して言うべきじゃなかった。

2時間半くらいの滞在時間のなかで何度も後悔して目をギュッとしてしまう。

 


最終的にパーマの出来は問題ない。

ただもう通えない。

気まずいのと全員にタトゥーが入ってて怖かった。

 

 

 

9月26日(木)

 


エアコンから濡れた犬みたいな臭いがするので様々薬品を買ってきた。

フィルターを洗ったり中のプロペラを擦ってカビを根こそぎ取り除く。

汗だくになりながら掃除を終え、最後の仕上げに送風のボタンを押した瞬間、エアコン内部のカビの粒たちが水滴と共に顔面に襲いかかって、千と千尋の自転車を引っこ抜いたシーンを思い出した。

シャワーを浴びて部屋に戻ると異臭は消えて濡れた犬は親元に帰っていった。

 


家の近くのカフェまで歩いてハンバーグランチを食べた。

ここ数日のチョコザップが無に帰すほどカロリーを摂取して悲しくなった。ライスおかわり自由のお店はおかわり代もデフォルト料金に上乗せされていると思ってしまい絶対におかわりしなくてはという気分にさせられる。

 


会計の際中に店員さんが忘れ物ですよとサングラスを持ってきた。

この夏すでにサングラスを二つもなくしている。

どうやら気に入ってる順になくなる。

繰り上げ一位のサングラスをまた失うところだった。

 

 

 

9月27日(金)

 

 

 

この余暇の期間、1人で街中を歩くことすらしていなかったなと思い天神までバスで行く。

土俵際の貴乃花みたく、とにかく足掻きたくて仕方がない。

 


ふらふらと目に入る店に入るが結局目ぼしい欲しいものは見当たらず予定を思い出したフリして退店する、そしてそれを繰り返した。

 


生まれて初めてH&Mのメンズコーナーに入った

名前は聞いたことあったが本当に自分が入店することになるとは思わなかった。

1000円のTシャツを買った。生地は安いだけありそれなりに薄く乳首は確実に白日の元に晒される。

それを鑑みても1000円は安い、乳首が出ても1000円は安い。

高宮まで歩いて、行きたかったお店で欲しかったTシャツを買った。H&Mの7倍の値段がする。

こうなってくると物の価値が分からなくなる。別に7倍生地は厚くないし7倍オシャレかと言われると疑問だった。

 


新紙幣の千円札が何度見ても一万円札顔してて毎度騙される。記載されている数字が本質なのは分かるが、なんとなく北里柴三郎には気品や安心感があり、意外と「俺ひとりいれば色々いけますよ」という自信も感じれる。

着てる服がなんであれ、それらを漂わせればいいのかとも思うがせめて乳首は浮いてはいけないなと思った。大人として。