ブログに近い

ラッパーです。

20年前の5時間目の眠気を未だに引きずっている

夜、帰り道の薬院

 


往路と比べると半分ほどの速さで

ゆっくりとペダルを回しながら帰る。

好きなラジオを聞いて、決して焦らず

向かい風が吹けば止まってしまう程のスピード。

 

 

 

毎日大体似たような時間帯に、ある交差点において

女子高生の自転車の集団と合流してしまう。

 


いっつもそう。

信号も一時停止もなく、

ドライバーの良心に一任された自転車と歩行者の横断の権利。

誰かがリーダーになり先陣を切る必要のある、

見知らぬ皆とチームプレイが生まれるあの交差点。

 


それを上手に渡り切ったあと、

右の角から女子高生たちは一気にやってくる。

 


15台はありそうな自転車と女子高生

なだれこまれて28歳、男性、会社帰り。

 


女子高生の群れは瞬く間に一人を飲み込む。

即席の清竜人25。

暗闇でも分かる、一人だけ色の違うやつがいる違和感。

 


コース取りを誤った女子高生たちは28歳の後方に並ぶ他ない。

叫ぶように行われていた会話を自分が二分割してしまった申し訳なさから肩を丸めて漕ぐ。

ゆったりと回る車輪を疎ましく思われている気がして

じわじわと背中が熱くなっていく。

 


彼女らはやたら軽やかにペダルを回す。

もう一日の終わりは始まってるのに、何故それほど元気なのか。

本当に自分と同じ時間配分でこの夜を迎えたのか、疑わしい。

 


イヤホン越しにも聞こえる大きな会話と

自分の自転車からのみ鳴るギリギリ軋んだチェーンの音を聞きながら

 

 

 

今朝のことを思い出した。

 

 

 

駐輪場に自転車を止めて、会社まで歩くその数十歩の途中

正面からすごいスピードで自転車を飛ばすおばさんと相対し

衝突を間一髪で交わした瞬間

「ああもう!」と吐き捨てられ、舌打ちを一回

 

 

 

...そんなに邪魔なところを自分は歩いていたのか。

ああもう!と言われるほど、そんなに悪かったのか。

 


責任の所在は置いといて

思案させたのはやはり

「見ず知らずの他人にああもう!って言える?」ってこと。

 


知り合いにもああもう!って言ったことないよ。

瞬間的にああもう!って口をついて出る人は

日常的にああもう!を奥歯に隠してるやつか

「(ぶつかりそうになったらああもう!って言おう)」って考えて家を出たやつか

仕事でああもう!って言ってるやつくらい。

 


そうじゃないと辻褄が合わないと思った。

 


今朝はそんなことが起こった。

 

 

 

やがて女子高生の群れは軋んだ自転車を追い越して

反射板をキラキラと光らせながら小さくなっていった。

 


女子高生もいずれああもう!と言う局面が来るのか

ああもう!と見ず知らずの他人に吐き捨てるような人間に

15人のうち何人がなるのか。

 


少なくともスローペースで帰路を行く僕はその対象ではなかったようだが

内心では充分そう思われているかもしれない。

 


ああもう!と言いたくなるほど、

人の進行方向を邪魔してるという自覚を持った今日。

まっすぐ進んでいることに胸を張っていたが、問題はそこではなく

どうやら邪魔なところを通行してしまってる、のか?

 


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バイトの女とお客さんの会話の中

 


バイトの女は重複を「じゅうふく」と読んでいた。

 


これこれ、それは「ちょうふく」と読みます。お客さんの前なのでしっかりとした言葉遣いを気をつけようね、と注意。

 


すると女はネットで検索をして

 


「じゅうふく」も「ちょうふく」も今はどちらも正しいらしいですよ?と言う。

 


それは「じゅうふく」と読む馬鹿が多すぎた結果そうなっただけ

何故馬鹿に合わせて正しさが捻じ曲げられなければならんのか。

お前ら馬鹿のために後天的にどちらも正しいってことにされたんだろ。

 

 

 

とは言えなかった。

言いたい。

 

 

 

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テレビをつけたらマナーのクイズをやってた。


マナーの専門家が出てきて言う。

 


「友達とのLINEにも実はマナーがあります!」

 


ないだろ。勝手に作るなそんなもの。

 


共通認識を植えつけようとするな。

 


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以上です。